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投稿日 : 2025.06.27

技人国ビザの取得要件を徹底解説|学歴・職歴・業務内容の関連性とは?

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外国人採用で直面する「まさか」の落とし穴

「優秀な外国人エンジニアを見つけたのに、ビザが下りなかった…」「面接では問題なかったのに、いざ申請してみたら要件を満たしていない…」
 
外国人採用に取り組む企業の多くが、こうした予期せぬトラブルに直面しています。特に技術・人文知識・国際業務(技人国)ビザの取得要件は複雑で、「なんとなく大丈夫だろう」という感覚で進めてしまうと、採用プロセスの最終段階で頓挫してしまうケースが後を絶ちません。
 
人事担当者として、採用コストと時間をかけて進めてきた外国人採用が、ビザの問題で白紙に戻るのは絶対に避けたいところです。そこで本記事では、技人国ビザの取得要件を詳しく解説し、確実な外国人採用を実現するポイントをお伝えします。

技人国ビザとは?外国人採用の基礎知識

技人国ビザとは、「技術」「人文知識」「国際業務」の3つの分野で働く外国人に発給される就労ビザです。IT・エンジニア、経理・財務、通訳・翻訳、営業・マーケティングなど、多くの職種がこのビザの対象となっています。
 
現在、日本で働く外国人労働者の約40%がこの技人国ビザを取得しており、外国人採用において最も重要なビザ種別といえるでしょう。しかし、取得要件が非常に厳格で、すべての条件をクリアしなければ許可が下りないという特徴があります。

技人国ビザ取得の4つの必須要件

技人国ビザの取得には、以下の4つの要件をすべて満たす必要があります。一つでも欠けていると申請は却下されてしまうため、事前の確認が極めて重要です。

要件1:学歴・実務経験が条件を満たしている

最も重要かつ複雑な要件が、学歴と実務経験の条件です。「技術」「人文知識」「国際業務」のカテゴリーごとに要件が細かく定められています。
 
技術分野では、技術分野に関する大学・短大・大学院を卒業しているか、技術分野に関する日本の専門学校を卒業している必要があります。学歴がない場合は、技術分野での専門的業務の実務経験が10年以上必要となります。例えば、情報工学を専攻した外国人がシステムエンジニアとして働く場合や、機械工学を学んだ外国人が製造業のエンジニアとして従事する場合などが該当します。
 
人文知識分野では、人文知識分野に関する大学・短大・大学院の卒業、または人文知識分野に関する日本の専門学校の卒業が求められます。学歴要件を満たさない場合は、人文知識分野での専門的業務の実務経験が10年以上必要です。経済学部を卒業した外国人が経理・財務業務に従事する場合や、経営学を学んだ外国人が営業・マーケティング業務を行う場合などが代表例です。
 
国際業務分野では、国際業務分野に関する大学・短大・大学院の卒業、または国際業務分野に関する日本の専門学校の卒業が条件となります。学歴要件がない場合でも、国際業務の実務経験が3年以上あれば申請可能です。語学系の学部を卒業した外国人が通訳・翻訳業務に従事する場合や、国際関係学を学んだ外国人が海外営業を担当する場合などが該当します。

要件2:企業の経営が安定している

外国人労働者が安定した環境で働けることを保証するため、雇用企業の経営状況も厳しく審査されます。出入国在留管理庁は、給与を十分に支払える財務状況があるか、そして継続雇用が可能な経営基盤が整っているかを詳細に確認します。
 
申請時には決算報告書や事業計画書の提出が求められるため、企業側の事前準備も重要な要素となります。特に設立間もないベンチャー企業や業績が不安定な企業の場合、この要件をクリアするのに苦労するケースが多く見られます。

要件3:給与が日本人と同等以上である

同一労働同一賃金の原則により、外国人と日本人の給与は同等以上でなければなりません。これは国が定めるガイドラインに基づく規定で、仕事の内容や責任が同じであれば、国籍や雇用形態に関わらず全員に同一の賃金を支払わなければならないという考え方です。
 
同時に採用された同種業務に従事する日本人社員との報酬格差がある場合、許可が下りない可能性が高くなります。給与設定の際は、基本給だけでなく各種手当も含めた総額で比較することが重要です。

要件4:外国人労働者に素行不良がない

技人国ビザを取得するためには、外国人労働者の素行も審査対象となります。犯罪行為を犯したことがある場合、各種税金の滞納・未納がある場合、アルバイトで国が定める労働時間の規定を破ったことがある場合など、素行上の問題が一つでもあれば、技人国ビザの取得は困難になります。
 
特に留学生の場合、アルバイトでの労働時間超過(週28時間を超える労働)は意外と多いトラブルの原因となっているため、注意が必要です。

学歴・職歴・業務内容の関連性が成功の鍵

技人国ビザ取得で最も注意すべきは、学歴・職歴と実際の業務内容の関連性です。この関連性の審査は非常に厳格で、「関連していそう」「近い分野だから」といった曖昧な判断では通りません。
 
例えば、大学で経済学を学んだ外国人をシステム開発業務に従事させるための申請は確実に却下されます。経済学とシステム開発には直接的な関連性がないと判断されるからです。同様に、文学部を卒業した外国人を営業職に配置する場合も、明確な関連性を示すことが困難です。
 
一方で、情報工学を専攻した外国人をシステムエンジニアとして採用する場合や、国際関係学を学んだ外国人を海外営業担当として雇用する場合は、明確な関連性があるため許可される可能性が高くなります。
 
採用前に候補者の専攻分野と業務内容の整合性を厳密に確認することが、技人国ビザ取得成功の最重要ポイントといえるでしょう。

申請プロセスの違いを理解する

技人国ビザの申請方法は、候補者の現在の状況によって大きく異なります。それぞれのケースを正しく理解し、適切な手続きを進めることが重要です。
 
海外から直接雇用する場合は、最も複雑で時間のかかるプロセスとなります。まず企業が候補者と雇用契約を結び、その後「在留資格認定証明書交付申請」の申請手続きを行います。認定証明書が交付されたら候補者に送付し、候補者が現地の日本大使館で入国ビザを申請して、ようやく来日・就労開始となります。全体で3〜6ヶ月程度の期間を要するため、計画的な進行が不可欠です。
 
日本にいる留学生を雇用する場合は、留学ビザから就労ビザへの変更手続きが必要となります。企業が候補者と雇用契約を結んだ後、候補者が「在留資格変更許可申請」を行い技人国ビザを取得します。卒業時期に合わせたタイムラインの調整が重要で、特に4月入社を目指す場合は逆算したスケジュール管理が求められます。
 
すでに日本で働いている外国人を転職採用する場合は、比較的簡単な手続きで済みます。前職と転職先の業務内容に変更がなければ、「所属(契約)機関に関する届出」を提出するだけで、新しい会社での就労が可能になります。

確実な外国人採用を実現する実践的アドバイス

技人国ビザの取得を確実にするためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
 
まず、採用選考の初期段階で学歴と業務内容の関連性を必ず確認しましょう。候補者の卒業証明書や成績証明書を取り寄せ、専攻分野と求人業務の整合性を専門的な視点で判断することが必要です。この確認を怠ると、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。
 
次に、給与設定は必ず同職種の日本人社員との比較を行い、同等以上の水準を確保してください。この際、基本給だけでなく各種手当も含めた総額で比較することが重要です。また、昇進・昇格の機会についても同等の待遇を提供することが求められます。
 
企業側の受入体制も事前に整備しましょう。決算書類の準備や事業計画の明確化など、経営安定性を示す資料を整えておくことで、スムーズな申請が可能になります。特に中小企業の場合、この準備に時間がかかることが多いため、早めの対応が重要です。
 
最後に、候補者の素行についても事前に確認することをお勧めします。過去の犯罪歴や税金の滞納状況、労働時間規定の遵守状況など、センシティブな内容ですが、後々のトラブルを避けるためには必要な確認事項です。

まとめ:専門的サポートで確実な外国人採用を

技人国ビザの取得要件は非常に複雑で、専門的な知識と豊富な経験が必要な判断となります。
 
外国人採用をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。経験豊富な専門スタッフが、貴社の採用成功を全力でサポートいたします。確実で安心な外国人採用を実現し、グローバル人材の力で事業成長を加速させましょう。